★008課題作品 ■のりさん
とおるは鉄人リーダー養成学校の受験をまじかに控えた社会人。
鉄人リーダー養成学校とは、この国の将来を託すリーダー達を育てる教育機関。
とおるは最近実施の全国知力・体力テストでもトップの成績を修めた。
そんなとおるには、たかしというライバルの存在と、とおるが鉄人をめざすと決意した時からの女友達リョウコがいた。
とおるはいつもリョウコの存在が気になっていた。リョウコはとおるが目指す道を決めたときから、なにかと献身的な態度をとっていた。受験のための参考書を自分なりに研究してとおるに勧めてくれたり、勉強やトレーニングに疲れたときは様々な気遣いをしてくれていた。そんなリョウコの姿にとおる自身も徐々にこころを許すようになっていた。
ある時、何者かによってとおるが手に入れたばかりの「こころの強化書」が奪われた!
「こころの強化書」は養成学校受験に必要な能力のひとつである精神面を強化する虎の巻。いままで受験資格を約束された者の間で代々伝わってきたという秘伝の書である。「こころの強化書」は鉄人リーダーを目指した、いままでの歴代の養成学校入学者が、入学の極意を書きあらわしたもので、受験資格を与えられるごく限られた者のみに、毎年渡される門外不出の書と言われていた。
「こころの強化書」をなくしたということになれば、とおるの将来はなくなるばかりか、鉄人リーダー養成学校の権威と国の威信が失われることにもなり、とおる自身とその家族はこの国から遠い国に追放されることになるのだった。
最終試験日まであと5日しかなく、それまでに取り戻さなければならなかった。
なくなった「こころの強化書」を取り戻すためにいま、とおるは立ち上がる。
ライバルのたかしはいままでも全国知力・体力テストで、とおるとその順位を常に競い合っていた。
とおるはたかしが「こころの強化書」を奪った犯人だとにらみ、追い詰めた。
とおるがたかしに問いただすと、たかしは笑みを浮かべながら、青の「こころの強化書」を取り出した。たかしの表情は自慢に満ちていた。
たかしがとりだした青の強化書を見たときに、とおるはハッと気づいた。
「これは僕のではない」
そうだったのだ。じつは「こころの強化書」は2冊あり、一つが青、もう一つが赤であり、自分が持っていたものは赤であったのだ。
たかしは本当の犯人ではなかったのだ!
「こころの強化書」は、それを悪用した者に不幸を招く魔力を備えていた。
知力と体力の鍛錬をおろそかにして、この「こころの強化書」を
手にした者は、知力・体力・精神力の三つの力のバランスを崩すと言われていた。
これを悪用した者は邪悪な生命力が急激に増し、鉄人リーダー養成学校への入学の道が完全に閉ざされることはもちろんのこと、この国に災いをもたらすという悪霊をその者の中に宿す、狼人に変わると言われていた。
そして、本当の敵リョウコが姿を現す。
とおるはたかしから青の「こころの強化書」を借りていた。青と赤の双方は互いにひきつけあう力をもっていて、ふさわしくない者が持っている一方の強化書を取り戻す力を秘めていた。たかしがとおるになんの疑いもなく「こころの強化書」を貸したのにはとおるの実力を認めていたからでもあった。
リョウコは女友達としてとおるに近づいていたが、実は「養成学校の学生達が
約束された将来の輝かしい地位と富」といった自らの安全欲求を満足させる
ために「こころの強化書」を奪ったのだ。
リョウコは「こころの強化書」の内容を目にした瞬間から急激にこころのバランスを崩し、みるみるうちに、悪霊の化身である狼人に変化した。
とおるは壮絶な死闘の末、青の「こころの強化書」のおかげで、自分の強化書を取り戻し、鉄人リーダー養成学校がもつ権威を取り戻すことができた。一方、
狼人に変わったリョウコは青と赤の「こころの強化書」が一つになったときに
発する閃光によって消滅させられてしまった。
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こんにちは。
ぴこ蔵師匠。
前回の課題でいろいろなご指摘を
ありがとうございました。
ご指摘のこと、よく心して手を加えて
みました。論評よろしくお願いします。
N.M.改め、「のり」より

のりさんの作品は学園SFあらすじじゃ!
うむ。前回のアドバイスをよく取り入れておるな。
舞台は学園内になったし、登場人物3人の関係もはっきりした。
この部分はこのまま伸ばしていってほしい。
さて、本日のポイントは主人公・とおるの成長である!
読者が感情移入するとおるが立派な人間になってくれんと「感動」は生まれないのじゃ!
この作品の場合、スタート時のとおるの目的は「エリートになる」という鼻持ちならないものじゃ。
最終的には「本当のリーダーは人のために自分を投げ出せる人間だ」ということに気づかないと
読者はとおるが嫌いになったまま終わってしまう。これでは問題作じゃ。誰も納得しないのじゃ。
だが、それは、Wの選択をしっかり作ることでクリアできるのじゃ。
それではそこを中心に「TYPE01の仮筋!」を使って構成をチェックしてみよう。
ちなみに◆マークのついた部分がまだ描かれておらぬのじゃ!
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★敵だと思って追い詰めたら、実は別にいた★
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とおるは他には替えがたい「エリートになるという目標」を持っている。
◆どのくらい大切にしているかというと…
(奥義「Wの選択」より:最初の選択)をするほどである。
ある時、何者かによってとおるのまわりから
エリートの象徴である「こころの強化書」が奪われる!
最終試験日まであと5日。
「こころの強化書」がなければ合格はおぼつかない。
急がなければ、タイムリミットがやってくる!
「こころの強化書」を取り戻すためにとおるは立ち上がる。
とおるはたかしを敵だと思い込んで追い詰める。
ところが、たかしは敵ではなかったのだ!
そして、本当の敵リョウコが姿を現わす。
リョウコは、
自分勝手な欲求を満足させるために「こころの強化書」を奪ったのだ。
◆しかしとおるは「こころの強化書」よりも大切な何かを発見する。
それは…
(奥義「Wの選択」より:第2の選択))をすることによって示される。
成長したとおるはついにリョウコと対決し、
意外な結末を迎える。
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△さて、それではここで、いよいよ奥義・Wの選択じゃ!
主人公の成長を描くことで感動の焦点を作るのじゃ!
◆“最初の選択”は、まだまだ未熟な主人公を表現するためのものじゃ。
ここで注意したいのが、
書き手は、無意識のうちに、主人公に自分を投影してしまうことじゃ。
このとき、主人公に現在の自分を重ねすぎていると、
キャラクターとは言え、未熟な部分は描きづらいものじゃ。
自分自身の反省会になってしまうからのう(笑)。へこむぞー。
そういう場合は、幼かった頃の自分を振り返るつもりで、
成長前の主人公の性格や思想を作っておこう。
「こいつは後で成長させねばならんのだ」と思っていれば
主人公の未熟さを、余裕を持って客観的に描けるじゃろう。
さあ、未熟な主人公を描くために、どんな選択をさせるかな?
◆“第2の選択”は、成長した主人公を表現するためのものじゃ。
最初の選択と同じ選択肢から、最初とは違う方を選ぶことで
「おお、主人公、成長したじゃん」と思わせる技じゃ。
△つまり、この作品のWの選択では、
「他人を押しのけてでもエリートになる」という考えの男が
「本物のリーダーとしての責任感」に目覚める姿が表現されればよい。
●こころの強化書を手に入れる
●こころの強化書をあきらめる
以上の2つから選ぶということになる。
“最初の選択”では「こころの強化書を手に入れる」を選んだ。
“第2の選択”ではその逆じゃ。
それは例えば「リョウコへの思いやり」とか「フェアな態度」だったり
あるいは「強化書なしでも戦うスピリット」なのかもしれん。
「絶対的な有利」を捨てることで人は成長する。
人を楽しませたり励ましたりすることを目的に作品を作る場合、
そういう理想を高らかに謳いあげることが大事なのじゃ。
それがテーマであり、感動を生むポイントじゃとわしは思う。
それではその選択を入れてぴこ蔵が再度構成してみよう。
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とおるは他には替えがたい「エリートになるという目標」を持っている。
◆どのくらい大切にしているかというと…リョウコやたかしとの
恋愛や友情を犠牲にして「こころの強化書」を手に入れたほどである。
ある時、何者かによってとおるのまわりから
エリートの象徴である「こころの強化書」が奪われる!
最終試験日まであと5日。
「こころの強化書」がなければ合格はおぼつかない。
急がなければ、タイムリミットがやってくる!
「こころの強化書」を取り戻すためにとおるは立ち上がる。
とおるはたかしを敵だと思い込んで追い詰める。
ところが、たかしは敵ではなかったのだ!
そして、本当の敵リョウコが姿を現わす。
リョウコは、
自分勝手な欲求を満足させるために「こころの強化書」を奪ったのだ。
◆しかしとおるは「こころの強化書」よりも大切な何かを発見する。
それは…本物のリーダーとしての責任感と人間性だった。
その思想は「こころの強化書」を手放すことによって示される。
◇成長したとおるはついにリョウコと対決し、倒す。
ところが、実はすべては試験だった。とおるは見事に合格する。
しかし、とおるはその合格を辞退する。
本物のリーダーとは、権力を手に入れることではないと気づいたのだ。
(この部分はテーマを補完するためにわしが勝手に追加してみたのじゃ)