★008課題作品 ■syao さん
ぴこ蔵「さて、それでは添削の時間じゃ。今回は、冒頭でも言った
登場人物のキャラクタについての考察をしようと思う。
それはあらすじCLUB会員・syaoさんから提出された
「007号の課題」あらすじ作品から始まったのじゃ」
**********************************************************************
●syaoさんから提出された007号の課題作品
**********************************************************************
ローズは、プランツ王国の王女だ。
プランツ王国では、ローズに代わり、王の弟のバジルが実権を握っていた。
ローズが女王となるには、成人の儀式を済ますことが必要。
ローズと子守役のミントは、王宮で何不自由ない暮らしを送っていた。
ある時、王家の秘宝「月読鏡」が奪われる。
「月読鏡」は、初代の王が邪神を封じ込めるのに使ったとされていた。
王国を襲った邪神を、月の光の下に誘き寄せ、鏡の中に封じたという。
全ての謀略を見抜き、王に真実を伝える鏡とされている。
成人の儀式には、「月読鏡」が必要。
鏡を取り戻す為に、ローズは立ち上がる。
ローズは、バジルが鏡を奪ったと考える。
鏡がなければ、ローズは女王になれない。
そして、バジルを犯人として追い詰めた。
ところが、犯人はバジルではなかった。
本当の犯人はミントだった。
先代の王には、愛人がいた。
愛人の娘が、ミントだった。
ミントは、王がバジルによって毒殺されたと思い込んでいた。
ミントは、「月読鏡」を使って、自分が王になろうとしていた。
「月読鏡」に封じられた邪神を開放したミントは、
邪神に取り込まれてしまった。
ローズは、邪神を再び封印し、王国に平和をもたらした。
======================================================================
▲このあらすじ作品に対するぴこ蔵からのヒントは
おおむねこんな感じだったのじゃ!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
======================================================================
△ローズは女王になりたいか?
一番気になるのはそこんとこじゃな。
そこがはっきりすればローズの人間性が明確になるのじゃ。
だからそこを直視して『Wの選択』をさせてみよう。
例)最初の選択で「なりたい」だったら2回目は「なりたくない」を。
最初の選択で「なりたくない」なら2回目は「なりたい」を。
最終的に「権力の座」につきたいかどうかは
人間として重い選択となるので、大人っぽいテーマとなる。
どちらの答えを選択しても主人公の成長を表現できるのじゃ。
▲最初の選択
最初の選択は物語のごく初めのほうでやるといい。
そのシーンがオープニングでもいいくらいじゃ。
▲2度目の選択
2回目の選択はシリアスな状況がいいと思うのじゃ。
物語のクライマックス、
ミントとの対決直前に選択の場面を持ってきたいところじゃな。
ローズは女王になりたいのか? なりたくないのか?
▼そして、これに答えてsyaoさんから次の展開が届いたのじゃ…
なんと2つのパターンを書き分けてくれたのじゃ。
1話めはこれじゃ!↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
●syaoです。008の課題提出します。
これは、「王になりたくない」→「なりたい」パターンです。
*******************************************************************
ローズは、プランツ王国の王女だ。
ローズの父である先王と、母の女王は既に亡くなっている。
プランツ王国では、ローズに代わり、王の弟のバジルが実権を握っていた。
プランツ王国では、年に一度の「精霊祭」が行われていた。
「精霊祭」の最後の日に、ローズの成人の儀式と戴冠の儀が行われる。
成人の儀式が終われば、ローズは女王となる。
だが、今だローズには、王になる自覚がない。
今日も、勉強の時間をすっぽかして祭りに行こうとし、
子守役のミントに捕まる。
皆が祭りに浮かれている時に、勉強などしたくないとむくれるローズ。
ミントのお小言と、先代の王がいかに素晴らしかったかの話も何処吹く風だ。
あげく、叔父のバジルのほうが王に適任なのだから、
戴冠の儀はバジルに譲ると言い出し、ミントを嘆かせる。
だが、祭りの最中、王家の秘宝「月読鏡」が奪われる。
「月読鏡」は、初代の王が邪神を封じ込めるのに使ったとされていた。
王国を襲った邪神を、月の光の下に誘き寄せ、鏡の中に封じたという。
全ての謀略を見抜き、王に真実を伝える鏡とされている。
鏡が王と認めたものに、強大な魔力を与える。
成人の儀式には、「月読鏡」が必要。
王になれなくても、成人として認められないのは一大事と、
鏡を探す為、ローズは立ち上がる。
ローズは、バジルが鏡を奪ったと考える。
「月読鏡」を安置してある祠は、王家の血を引く者にしか封印を解けない。
何時も、「王となる為」と称して自分に厳しく当たるバジルが、
ローズは王に相応しくないと、鏡を隠したのだと考えた。
「せこい嫌がらせして!そうはいかないんだから!」
ミントは反対するが、ローズはミントを連れ、証拠を探す為に祠を探索する。
だが、最深部まで来たところで、ミントに閉じ込められてしまった。
犯人はバジルではなかった。
本当の犯人はミントだった。
先代の王には、愛人がいた。
愛人の娘が、ミントだった。
ミントは、王がバジルによって毒殺されたと思い込んでいた。
ミントは、「月読鏡」を使って、自分が王になろうとしていた。
何とか祠を脱出したローズは、ミントを追って王宮に戻る。
王宮では、「月読鏡」を手にしたミントが、バジルを殺そうとしていた。
ローズは間一髪で阻止し、バジルとともに町に逃げる。
何も知らず、祭りに浮かれ騒ぐ人々の中、
ローズはバジルと二人、町を彷徨っていた。
路地裏に身を隠し、バジルは、ローズに通行証を渡し、
親戚筋に当たる隣国へ逃げるよう言う。
バジルはどうするのかと問うローズに、「一緒にはいけない」と言うバジル。
バジルは、自分はこの国に対して責任がある。ミントの好きにさせる訳には
いかないと言い、ローズには、成人の儀式を迎えていない以上、王位継承権
はない、だから、国に殉じる必要はないと説く。
戻れば殺されると、引き止めるローズに、バジルは笑って、
「大丈夫。ローズとの約束もあるから」
バジルの言う「約束」が、何のことか分からないローズだが、
王宮に戻るバジルを見送るしか出来ない。
自分が戻っても、何の役にも立たないばかりか、足手まといになる。
こうなったら、一刻も早く隣国に助けを求めるしかないと、城門を目指す。
祭りに浮かれ騒ぐ人の波を掻き分け、急ぐローズ。
途中、ローズは、結婚式を挙げるカップルに出くわした。
花嫁の幸せそうな笑顔と、真っ白なドレスに、幼い頃の思い出が浮かぶ。
バジルに手を引かれ、祭り見物に来た幼いローズは、
同じように結婚式を見て、綺麗なドレスを着た花嫁に憧れ、
「大きくなったら、お嫁さんになりたい」とバジルに言ったのだ。
バジルは笑って、ローズなら、世界一綺麗な花嫁さんになれると言っていた。
そして、バジルとの約束を思い出す。
ローズの結婚式では、バジルがエスコート役を務めると。
あの頃のバジルは、よく笑う、優しい叔父だった。
何時から、無愛想で、厳しい叔父になってしまったのだろうと考え、
兄である先代の王が亡くなり、成人に達していないローズを巡り、
誰が彼女に代わり国政を執り行うかで、揉め事が起きた時からだと、
思い当たる。
あの時、バジルが強引に執権を取らなかったら、
この国は、自分は、一体どうなっていたのだろう、と。
そして、今、ミントを止めなければ、この国の人たちは
どうなってしまうのだろう。
ローズは、通行証を取り出すと、深呼吸をしてから、一気に破り捨てる。
そして、きびすを返して、王宮へと向かった。
王宮に戻ったバジルは、ミントから鏡を奪おうとするが、
傷を負わされてしまう。
ミントは止めを刺そうとするが、間一髪でローズが阻止する。
何故戻ったと叱るバジルに、ローズはバジルを庇いながら、
「王は、民の為に存在するはずです。民を見捨てて、何が王ですか」
「月読鏡」の魔力で、二人を殺そうとするミント。
だが、鏡はミントの言葉に反応しない。
躍起になるミントに、バジルが告げた。
「人の道に外れた者を、鏡は王と認めない」
怒ったミントは、自分を認めない国などいらないと、
自分の血を鏡に垂らし、封印を解く。
「月読鏡」に封じられた邪神を開放したミントは、
邪神に取り込まれてしまった。
ローズは、バジルとともに知恵を絞って、邪神を再び封印し、
王国に平和をもたらした。
「精霊祭」最終日、相変わらず厳しく、「王の心得」を説くバジルの言葉に、
大人しく耳を傾けるローズ。
だが、バジルの注意が他に逸れたとき、こっそり「月読鏡」を取り出す。
鏡の中に、ローズを心配し、取り乱す叔父の姿を見て、
ローズは笑いをかみ殺すのだった。
///////////////////////////////////////////////////////
▼そして…2話め↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
●これは、「王になりたい」→「なりたくない」パターンです。
************************************************************
ローズは、プランツ王国の王女だ。
ローズの父である先王と、母の女王は既に亡くなっている。
プランツ王国では、ローズに代わり、王の弟のバジルが実権を握っていた。
プランツ王国では、年に一度の「精霊祭」が行われていた。
「精霊祭」の最後の日に、ローズの成人の儀式と戴冠の儀が行われる。
成人の儀式が終われば、ローズは女王となる。
女王になる日が近づき、ローズは我が物顔で王宮を歩き回る。
勝手に宝物庫に入り込み、ありったけの黄金を身につけて高笑いし、
王宮内のインテリアに文句を言い、
挨拶する女官に「大臣にしてあげようか?」とからかい、
執務室に入り込んでバジルの椅子に座ると、
王家の印が入った判子を、吸い取り紙に押すいたずらを始める。
子守役のミントに見つかり、小言と先代の王がいかに素晴らしかったかの
話を、あくびをかみ殺しながら聞いていた。
だが、精霊祭の最中、王家の秘宝「月読鏡」が奪われる。
「月読鏡」は、初代の王が邪神を封じ込めるのに使ったとされていた。
王国を襲った邪神を、月の光の下に誘き寄せ、鏡の中に封じたという。
全ての謀略を見抜き、王に真実を伝える鏡とされている。
鏡が王と認めたものに、強大な魔力を与える。
成人の儀式には、「月読鏡」が必要だ。
鏡を取り戻す為に、ローズは立ち上がる。
ローズは、バジルが鏡を奪ったと考える。
鏡がなければ、ローズは女王になれない。
執政に手腕を発揮し、バジルを次の王に望む声があることも知っている。
「月読鏡」を安置してある祠は、王家の血を引く者にしか封印を解けない。
バジルが、自分を追いだして王になろうとしているのだと、ローズは考えた。
ミントは反対するが、ローズはミントを連れ、証拠を探す為に祠を探索する。
だが、最深部まで来たところで、ミントに閉じ込められてしまった。
犯人はバジルではなかった。
本当の犯人はミントだった。
先代の王には、愛人がいた。
愛人の娘が、ミントだった。
ミントは、王がバジルによって毒殺されたと思い込んでいた。
ミントは、「月読鏡」を使って、自分が王になろうとしていた。
何とか祠を脱出したローズは、ミントを追って王宮に戻る。
王宮では、「月読鏡」を手にしたミントが、バジルを殺そうとしていた。
ローズは間一髪で阻止し、ミントから「月読鏡」を奪い返す。
反撃するミントに捕まりかけた時、バジルが盾になってローズを逃がした。
「日没までに、バジルと鏡を引き換え」とのミントの声を背に、
町に逃げるローズ。
何も知らず、祭りに浮かれ騒ぐ人々の中、
ローズは鏡を抱えながら彷徨っていた
。
疲れて、路地裏に座り込むローズの前に、バジルの部下のセージが現れる。
セージは、王家の判子と通行証をバジルから託されていた。
これを持って、隣国へ救援を求めろという、バジルからの伝言。
「月読鏡」がなければ、ミントは王と認められない。
親戚筋に当たる隣国が事態を知れば、必ず力になってくれるということだ。
セージから、王宮内の様子を聞くローズ。
ミントは、王宮の人々を宝物庫に閉じ込めて鍵をかけてしまい、
バジルは縛られ執務室に軟禁されていると聞き、動揺するローズ。
だが、セージに、ローズは最後の希望であり、
戻ることは自殺行為だと説得され、
セージとともに隣国へ行くことを承知する。
国民に悟られないよう、祭り見物を装って城門を目指す二人。
途中、ローズは、結婚式を挙げるカップルに出くわした。
花嫁の幸せそうな笑顔と、真っ白なドレスに、幼い頃の思い出が浮かぶ。
バジルに手を引かれ、祭り見物に来た幼いローズは、
同じように結婚式を見て、綺麗なドレスを着た花嫁に憧れ、
「大きくなったら、お嫁さんになりたい」とバジルに言ったのだ。
バジルは笑って、ローズなら、世界一綺麗な花嫁さんになれると言っていた。
あの頃のバジルは、よく笑う、優しい叔父だった。
何時から、無愛想で、厳しい叔父になってしまったのだろうと考え、
兄である先代の王が亡くなり、成人に達していないローズを巡り、
誰が彼女に代わり国政を執り行うかで、
揉め事が起きた時からだと、思い当たる。
あの時、バジルが強引に執権を取らなかったら、
この国は、自分は、一体どうなっていたのだろう、と。
前を歩くセージを呼び止め、通行証を押し付けると、王宮へと戻るローズ。
「悪いけど、私、王様よりなりたいもの、思い出しちゃった♪」
日没寸前、王宮に戻ったローズは、「月読鏡」を渡す代わりに、
バジルを開放するよう、ミントに要求する。
何故戻ったと叱るバジルに、ローズは笑って、
「私が世界一の花嫁になる時は、叔父様がエスコートする約束ですから」
「月読鏡」をミントに渡すが、ミントはバジルを開放せず、
魔力で二人を殺そうとする。
約束が違うと叫ぶローズを、あざ笑うミント。
だが、鏡はミントの言葉に反応しない。躍起になるミントに、バジルが告げた。
「人の道に外れた者を、鏡は王と認めない」
怒ったミントは、バジルを生贄に、邪神を開放しようとする。
だが、ローズが何とかバジルを奪回した為、自分を認めない国などいらないと、
自分の血を鏡に垂らし、封印を解く。
「月読鏡」に封じられた邪神を開放したミントは、
邪神に取り込まれてしまった。
ローズは、バジルとともに知恵を絞って、邪神を再び封印し、
王国に平和をもたらした。
「精霊祭」最終日、成人の儀式の為に着替えたローズは、
バジルに「自分は王にならない」と告げる。
「今度のことで、自分の未熟さを痛感しました。
私はまだ、王座に相応しい人間ではありません」
見聞を広める為、旅に出たいと言うローズ。
ローズのせいではないと優しく慰めるバジルに、ローズはにっこり笑って、
「それに、この世には、「月読鏡」みたいなお宝が、
まだまだ眠ってると思うんですよね〜。
それを全部手に入れたら、
プランツ王国が世界を制することが出来ると思いません?
夢はおっきく、世界征服♪」
ローズの新たな冒険が始まる。

▼いやー、syaoさん、よくぞ2つも作ってくれたのじゃ!
おかげでこの作品は大変興味深いテーマを提示してくれたぞ。
それは…
「ストーリーによって主人公のキャラクターはどう変わるか?」
ということじゃ。
さて、1話めのローズと2話めのローズ、どちらが面白いかな?
さっそく比較対照してみるのじゃ!
▼1話めの登場シーンはこうじゃ。
-----------------------------------------------
だが、今だローズには、王になる自覚がない。
今日も、勉強の時間をすっぽかして祭りに行こうとし、
子守役のミントに捕まる。
皆が祭りに浮かれている時に、勉強などしたくないとむくれるローズ。
ミントのお小言と、先代の王がいかに素晴らしかったかの話も何処吹く風だ。
あげく、叔父のバジルのほうが王に適任なのだから、
戴冠の儀はバジルに譲ると言い出し、ミントを嘆かせる。
------------------------------------------------
▼そして2話めはこうじゃ。
-----------------------------------------------
女王になる日が近づき、ローズは我が物顔で王宮を歩き回る。
勝手に宝物庫に入り込み、ありったけの黄金を身につけて高笑いし、
王宮内のインテリアに文句を言い、
挨拶する女官に「大臣にしてあげようか?」とからかい、
執務室に入り込んでバジルの椅子に座ると、
王家の印が入った判子を、吸い取り紙に押すいたずらを始める。
子守役のミントに見つかり、小言と先代の王がいかに素晴らしかったかの
話を、あくびをかみ殺しながら聞いていた。
-----------------------------------------------
たったこれだけの描写に過ぎないのに、二人のローズはかなり違う。
女王になりたくない1話目のローズ(ローズ1)が受身なのに比べて
女王になりたい2話目のローズ(ローズ2)は積極的なエピソードが多い。
誰だってそうじゃと思うが、やりたくないことを強要されると
テンションは下がる。
キャラクターにも同じことが言えるわけじゃな。
活動的なキャラクターを作りたければ、夢を持たせることじゃ。
「女王になりたい」という夢が叶いそうなローズ2は、そのうれしさで
すっかりテンションが上がってしまい、実にいきいきとしておる。
そういう風にテンションが高い登場人物は、フットワークがいい。
すっかりウォーミングアップが出来ているので、どんどんストーリーを
展開しやすいのである。
たとえば、いざ事件が起きたときの二人のローズの反応じゃ。
▼ローズ1
------------------------------------------------
成人の儀式には、「月読鏡」が必要。
王になれなくても、成人として認められないのは一大事と、
鏡を探す為、ローズは立ち上がる。
------------------------------------------------
目的をもたないことで消極的なキャラになったローズ1が、
このようにしぶしぶ腰を上げるのに対して…
▼ローズ2
------------------------------------------------
成人の儀式には、「月読鏡」が必要だ。
鏡を取り戻す為に、ローズは立ち上がる。
------------------------------------------------
ほーれ、見事なもんじゃ。
何の迷いもなく、スパッと行動に移れるのじゃ!
こういう主人公の単純さ、わかりやすさは
物語を運ぶ上でとても大事じゃぞ。
そして、きわめつけは、いったん脱出しながらも再び敵の前に戻ってきた
ローズが切ってみせる啖呵(たんか)。
決め台詞じゃな。
▼ローズ1
------------------------------------------------
何故戻ったと叱るバジルに、ローズはバジルを庇いながら、
「王は、民の為に存在するはずです。民を見捨てて、何が王ですか」
------------------------------------------------
ちょっとローズのキャラとしては良い子すぎるのじゃ。
女王としての責任感が芽生えてしまったローズ…。
昨日まで一緒にテストで0点とっていたのに、今日、突然、
学級委員長になってしまった親友、みたいな感じじゃな。
シリアスではあるが、うら若きヒロインのセリフとしては
はたして魅力的かどうか…疑問があるのう。
▼ローズ2
------------------------------------------------
何故戻ったと叱るバジルに、ローズは笑って、
「私が世界一の花嫁になる時は、叔父様がエスコートする約束ですから」
------------------------------------------------
これじゃよこれ! ローズのおきゃんな魅力が爆発したいいセリフじゃ!
王国の破滅の危機に際しても、いけしゃあしゃあと自分の花嫁姿について
語る! このちょっとお馬鹿なカッコよさが大切なのである。
まさにヒロインにのみ許される華やかなキャラなのじゃ。
よっ! ローズちゃん!
こんなセリフが飛び出してくるのも、キャラ設定がはまっておるからじゃ。
そしてそれは「王位よりも自由を選んだ」おかげなのである!
読者はこんな選択をしたローズに共感し、感動するのじゃ!
このキャラの違いはどんどん大きくなっていき、
エンディング・シーンでは物語のスケール感が全く違ってしまう。
▼ローズ1
------------------------------------------------
「精霊祭」最終日、相変わらず厳しく、「王の心得」を説くバジルの言葉に、
大人しく耳を傾けるローズ。
だが、バジルの注意が他に逸れたとき、こっそり「月読鏡」を取り出す。
鏡の中に、ローズを心配し、取り乱す叔父の姿を見て、
ローズは笑いをかみ殺すのだった。
------------------------------------------------
ローズ1は日常に回帰し、王宮も平穏を取り戻すものの
ローズはやはり受身に徹しており、月読鏡さえもが単なる不思議な鏡に
レベルダウンしているようである。
それに比べて…
▼ローズ2
------------------------------------------------
「それに、この世には、「月読鏡」みたいなお宝が、
まだまだ眠ってると思うんですよね〜。
それを全部手に入れたら、
プランツ王国が世界を制することが出来ると思いません?
夢はおっきく、世界征服♪」
ローズの新たな冒険が始まる。
------------------------------------------------
なんと王位を捨てたローズ2はトレジャーハンターになろうとしておる!
「おまえはどこまでアホなんだ!」と思いながらも読者はもう
ローズ2から目を放せない。人間として大好きになってしまうのだ。
広い世界に飛び出すワクワク感がある。これでシリーズ化は決定である。
キャラ作りとは「読者が好きになる人間性」を見つける作業である。
「こんな奴がいたら私は絶対友達になる」と思えることが大事なのじゃ。
キャラ作りというのは重要なのじゃ。
しかも、そのキャラを決定するには「Wの選択」による選択肢の内容が
大いに関わってくることがわかっていただけたであろうか?
syaoさんがここまで書いてくれたおかげではっきりしたことがある。
それは、こういうストーリーの場合、
主人公はあくまでも活動的で欲望に満ちていたほうが面白いということ。
そして、そのために最初からはっきりとした目標をもたせること。
物書きは現実的にはあまり活動的なタイプではない場合が多い。
本来はアグレッシブな人でも、長いこと机に座って物を書く作業ばかり
しているうちに、アクションが面倒くさくなってくるものじゃ。
物書きは気づかぬうちに、腰の重いフットワークの悪い人間になって
おるのじゃよ。そして、そんな精神状況を主人公に投影してしまう。
いかんいかん。
主人公は「行動する」キャラでなければ、物語が動かないのじゃ!
もし現実的に作者の自分がものぐさで面倒くさがりであったとしたら、
主人公も同じような精神構造になっていないか注意せよ。
面白いストーリーとは、
書き手であるおぬしにとって一番たいせつな人、
つまり、読者様に楽しんでいただけるストーリーのことである。
原稿用紙は(ワープロの画面は)
自分のアイデアやセンスや理想をほめてもらうための場所ではなく、
読者の心を、あの恐ろしい退屈から救い出さなければならない
智恵の難所なのである! パズルでありダンスであり劇場なのじゃ。
だからこそ楽しいのである。『行動』を面倒くさがることなかれ!
★==★==★==★==★ その他のポイント ★==★==★==★==★
アイテム「月読鏡」の果たすべき役割が多すぎるようじゃな。
このような場合は『大切なもの』として設定した「月読鏡」の
機能を絞り込むことが必要じゃ。
「月読鏡」は「王位継承者を決定するもの」としてのみ機能すれば
非常にすっきりした役割が出来る。
「月読鏡」にはこれ以上の魔力を与えなくてもよいのではないかな?
邪神を封じ込めたり、王様を決める力を持たせたり、
全ての謀略を見抜き、王に真実を伝える力があったりと、
1つでいろいろ欲張りすぎると話の混乱の原因になるのじゃ。
クライマックスでミントをやっつけるために必要ならば、
鏡とは別に武力アイテムを創るのがいいじゃろう。
その一撃で王国を壊滅させるような危険で強力なものじゃ。
そして、その「武力」の制御をするのが「王権」であり、
その権威の正当性を立証するのが「月読鏡」なのじゃ。
いってみれば「核爆弾のスイッチ」と「大統領の地位」と
「大統領選挙」の関係じゃ。
こういう苦くて現実的なシステムを取り入れることで
ファンタジー世界にも説得力あるリアリティーが生まれるのじゃ。