
悪党の視点が、なぜサスペンスを生むのか
第1回では、小道具の役割が反転する仕組みを読み解きました。
第2回では、主人公の選択の変化が、結末を動かす構造を分析しました。
しかし、同じ出来事でも、誰の視点から語るかによって、物語の面白さは大きく変わります。
O・ヘンリが選んだのは、駆け落ちを実行する青年ではなく、悪だくみを仕掛けた薬剤師アイキイの視点でした。
なぜ、物語の中心人物ではなく、悪党の目を通して描いたのでしょうか。
完結編となる第3回では、視点によって読者に与える情報をコントロールし、肝心の場面をあえて見せないことで、謎とサスペンスを生み出す構成を読み解きます。
下のプレーヤーから、そのまま無料でお聴きいただけます。
【O・ヘンリ『アイキイの惚れ薬』③】
たった一つのオチを、いくつもの技術が支えている
『アイキイの惚れ薬』は、単なる「惚れ薬の正体は睡眠薬だった」というアイデアだけで作られた物語ではありません。
第1回から第3回までを通して見えてきたのは、次のような構造でした。
嘘によって、小道具に二つの意味を持たせる。
主人公の選択を変化させ、小道具の使われ方を変える。
悪党の視点を選び、読者に罠の存在を知らせる。
それでいて、読者が最も見たい現場だけは見せない。
これらの技術が別々に置かれているのではなく、ひとつの結末へ向かって連動しています。
だから、最後の逆転が単なる偶然ではなく、
そういうことだったのか
と納得できる結末になるのです。
第1回、第2回をまだご覧になっていない方へ
物語のあらすじと登場人物の関係を、第1回から順番に解説しています。
【第1回をYouTubeで見る】
【第2回をYouTubeで見る】
あなたの物語では、仕掛けがつながっていますか?
魅力的な登場人物や、印象的な小道具、意外などんでん返しを考えても、それぞれが別々に置かれているだけでは、物語はなかなか動きません。
主人公の変化が結末に影響していない。
小道具が一度使われたまま、忘れられている。
敵の行動と、最後の逆転がつながっていない。
誰の視点で描くかを、「主人公だから」という理由だけで決めている。
クライマックスで読者が見たい情報を、すべて先に見せてしまう。
こうした状態では、面白そうな要素を増やしても、物語は平板なままです。
大切なのは、要素の数ではありません。
人物、小道具、敵、視点、情報、結末を、ひとつの流れとして連動させることです。
『神々の火を盗め! 音声版』
ここで「盗む」のは、名作の登場人物や設定、文章ではありません。
大作家たちが作品の中で使っている、
- 読者を物語へ引き込む方法
- 主人公と敵を対立させる方法
- 嘘や思い込みで認識を反転させる方法
- 恋愛に障害と葛藤を生み出す方法
- 恐怖を反撃のカタルシスへ変える方法
- 悪党の存在からヒーローを生み出す方法
といった、別の物語にも応用できる構成の原理です。
無料公開した『アイキイの惚れ薬』全3回とは別に、名作短編を題材とした全13講を収録しています。

名作短編13講から、「面白さの型」を学ぶ
『神々の火を盗め! 音声版』では、O・ヘンリ、ヘンリー・スレッサー、ローレンス・ブロック、スティーヴン・キングなどの短編を題材に、物語を成立させている構成技術を分析します。
作品のあらすじを紹介するだけの講座ではありません。
なぜ、この展開で読者は先を知りたくなるのか。
なぜ、この人物の選択が結末を動かすのか。
なぜ、このどんでん返しに納得できるのか。
作品の中に隠れている仕組みを取り出し、自分の創作へ持ち帰るための講座です。
収録内容
無料公開した『アイキイの惚れ薬』全3回を除く、全13講を収録しています。
O・ヘンリ『黒鷲の失踪』
- その1
- その2
ファンタジーを始めることよりも難しい、「物語をどう終わらせるか」を学びます。
O・ヘンリ『にせ医師物語』
- その1
- その2
主人公が敵だけでなく、読者まで騙す二段階のどんでん返しを分析します。
ヘンリー・スレッサー『伯爵夫人の宝石』
- その1
- その2
嘘、役割、思い込みを組み合わせ、逆転を成立させる構成を読み解きます。
O・ヘンリ『都市通信』
- その1
- その2
一人称の語り手が、最後の選択によって物語の主人公になる仕組みを分析します。
- ローレンス・ブロック『夜明けの光の中に』
- O・ヘンリ『伯爵と婚礼の客』
愛情、秘密、罪悪感が、人物の選択と結末をどう動かすのかを考えます。
- スティーヴン・キング『ジンジャーブレッド・ガール』
- スティーヴン・キング『1408号室』
主人公を極限まで追い詰めながら、反撃と解放感へつなげる恐怖の構成を分析します。
O・ヘンリ『荒野の王子様』
主人公の強さだけに頼らず、悪党との対立によってヒーローを成立させる方法を学びます。
受講者の声
この講座のおかげでプロデビューできました。
デビュー後も、特にショートショートや短編のプロットを立てる際には何度も見返しています。
今まで私がやってきたストーリー作りが、いかに自己流で非効率だったのか思い知らされました。
学んだ型を活用して、実際に作品を作ることができました。
名作をジャンル別に学びながら、物語の構造と自分の興味を発見できました。何から始めればよいか分からない初心者にも、作品完成や受賞を目指す人にも役立つ講座です。
作品のあらすじを紹介してから解説するので、原作を読んだことがなくても理解できました。短編の技術ですが、長編にも応用できると思います。
よくある質問
- 題材作品を読んでいなくても理解できますか?
-
はい。各講義では、最初に作品のあらすじを紹介してから構成を分析します。
原作を読んでいない方でも受講できます。
- 長編小説や漫画、脚本にも応用できますか?
-
短編を題材にしていますが、人物の変化、敵との対立、情報の配置、逆転の作り方などは、長編小説、漫画、脚本、ゲームシナリオにも応用できます。
- スマートフォンでも聴けますか?
-
MP3を再生できるパソコンやスマートフォンでお聴きいただけます。
- 以前、この講座を購入しました
-
以前の商品と内容が重なるため、再購入する必要はありません。
収録内容
『神々の火を盗め! 音声版』
全7テーマ・13講
1講約10分/合計約130分
MP3音声ファイル
ダウンロード形式
4,980円(税込み)
無料公開した『アイキイの惚れ薬』全3回は、重複して収録していません。

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