ショートショートは、書いてはいけない
ショートショートのオチにはスケールの壮大さが要求されますが、それは何も100億個の銀河を飲み込む巨大なブラックホールの話を書けという意味ではありません。
素材のサイズの大小ではなく、読者の感情の振れ幅の問題なのです。小さな村の小学生の淡い失恋話であっても、振った方と振られた方との間に横たわる心理的な距離は惑星間のそれにも匹敵しますし、気まずい二人の意識の落差はナイアガラの滝よりも大きいでしょう。
ところが、それを書くために与えられる原稿用紙はほんの数枚しかないのです。
余計なことを書いているスペースなどありません。思いついたアイデアを読者の心に深く突き刺すためには、言葉を削りに削って、先端をさらに鋭く尖らせるしかないのです。
作品を磨き込むためのコツは、目先の言い回しを変えることではなく、無駄な文章を生み出している原因を探し当てることです。
だからこそ問われるのは、『何を書くべきか?』ではなく、むしろ『何を書くべきでないのか?』なのです。
私のショートショートが面白くならない理由
== Mさんの告白 ==
よくいるじゃないですか。話をしてて核心にたどり着くまで長々と話す人って。私のショートショートみたいだなって(笑) あれも書きたい、これを書かなくちゃと思って詰め込みすぎるんですよね。書かないと内容が伝わらないと思って不安になるんです。
すると原稿用紙の枚数ばかり増えてしまって、ショートショートの規定をはずれてしまいます。それで削ろうと思うのですが、どこを残してどこを削るのかわからなくなって文字数はいっこうに減りません。
こういう感じでいつも作品を仕上げたことがありません。いったいどうしたら小気味よいショートショートを書けるのかな。
サイトー文章講座とは
では、あなたの作品から一刻も早く取り除くべきものとは? それを書いてしまったが故に物語の核心をボカしてしまっているものとはいったい何なのでしょうか?
あなたのショートショートには、書いてはいけないことが書かれてはいませんか? そのせいで面白さの構造を破壊してはいませんか?
切れのあるオチが書けなければ、まず、その阻害要因を見つける必要があります。
サイトー文章講座は、上手な文章を書くことではなく、書いてはいけないことを教える講座です。
「サイトー文章講座」の詳細とお申し込み方法
内容:メールによる通信講座(週に1度)
期間:24週(約6ヶ月)
価格:19,800円 (24週分)
講師:齊藤 想
配信開始日:受講料をお支払いただいた翌日より配信します。※第1号の配信後、7日毎に次号を配信
第1回 | 描写に対する意識と目的を持つこと |
第2回 | 静止画より動画 |
第3回 | シーン数を減らそう |
第4回 | 冒頭を圧縮しよう |
第5回 | 時系列に並べても面白くならないときの解決法について |
第6回 | 視点を統一する方法 |
第7回 | ありえない話を現実的に見せるのは細部のこだわり |
第8回 | 細部の作りこみ方 |
第9回 | テーマに沿った描写を心がける |
第10回 | テーマを明確にしよう |
第11回 | 手紙形式の利点 |
第12回 | まとめ |
コラム① | 自分の文章修行 |
コラム② | 文章で気をつけるべきこと |
コラム③ | 細かいルール |
コラム④ | 形容詞と副詞を削減しよう |
コラム⑤ | 比喩の功罪 |
コラム⑥ | 五感を意識す |
コラム⑦ | 具体的に書く |
コラム⑧ | センテンスの長さ |
コラム⑨ | 会話文について |
コラム⑩ | 文章に対するセンサーの高めかた |
コラム⑪ | 上達の手順 |
コラム⑫ | なぜ小説を書くのか |
※ご受講後の途中解約はできかねますので、
ご了承のうえご受講いただきますようお願い申し上げます。