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面白いストーリーの作り方 2022.07.19号

4日間集中配信『第1回 どんでん返しタクティクス』

 

●「どんでん返し」の具体例

こんにちは、ぴこ山ぴこ蔵です。

最近の自己紹介では『ドンデニスタ』などと名乗っておりますので、あらためて確認させていただきます。

『どんでん返し』とはどういうテクニックなのでしょうか?

実例を簡単に紹介します。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓

主人公は中学生です。1年前、親友が病気で亡くなって以来、なんとなく学校に行く意味がわからなくなっています。同じクラスにはどうやら主人公のことが気に入らない様子の同級生もいて、主人公は「いじめられたりすると嫌だな……」と思っています。

幸い担任の先生は主人公のことを気にかけて優しくしてくれます。決して楽しい学校生活ではありませんが、しぶしぶながらもなんとなく通い続けているのは先生のおかげなのかもしれません。

そんなある日、主人公は突然、思ってもみなかった事件に巻き込まれます。郊外にある大型家電量販店でイヤホンを買って店を出ようとした時、アラームが鳴ってお店の人に腕を掴まれたのです。

「お客さん、支払いがお済みでない品物があるみたいですね。ちょっとこちらの部屋まで来ていただけますか?」

お店の人は主人公をスタッフルームに連れて行こうとします。

その時でした。
「ちょっと待ってください。私はその子の担任教師です」
そう言って、先生が現れたのです。
「何かあったというのなら私も同行します。構いませんよね?」

信じられないことに、スタッフルームで主人公のバッグから、触った覚えのないプリペイドカードが数枚発見されました。

「これは何かの間違いです。こんなカード知りません」
主人公は呆然として否定しますが、実物が目の前にあるのは確かです。

万引きした、していないの押し問答が繰り返された挙げ句、店長が先生に決断を迫りました。

「分かりました。証拠がある以上、万引きを認めます。あらためて親と一緒にご挨拶に参ります。ここは教師の私が身柄を引き受けますので警察には通報しないでください」

先生はそう言うと店長に頭を下げました。

主人公は「そうじゃないのに。自分は万引きなんかしていないのに」と心の中で叫びましたが、目の前で頭を下げる先生の姿を見ていると涙しか出てきません。

すると、先生は主人公の顔を見て言いました。
「さあ、きみも謝りなさい」

しかし、主人公は泣きながら必死に抵抗をしました。
「万引きなんかしていません」

店長が困った顔をして言いました。
「どうやら本人は認めていないようですね。これではこちらとしても簡単に許すわけにはいきません。せめて罪を認めて反省してもらわないと」

先生は厳しい目をして主人公に言いました。
「自分の非を認めて、きちんと謝りなさい。きみは確かに万引きをしたんだ。そうだろう?」

するとそこに、主人公のクラスの同級生が違う店員を連れて走ってきました。主人公を嫌っているあの同級生です。

「ちょっと待ってください。証拠のビデオがあります。お店のデモ商品でとっさに撮影したんです。これを見てください!」

同級生と一緒に走ってきた店員の手には一台のビデオカメラが握られていました。

「こ、これは、どういうことだ……」
再生した画面を見て店長は驚きの声を上げました。

そこにはイヤホンを見ている主人公の背後にそっと近づいて、主人公のバッグにカードらしきものを入れている先生の姿が写っていたのです。

2時間後、聞き取りを終えて警察署を出ようとすると、あの同級生がベンチに座って主人公を待っていました。同級生は右手を上げて主人公に微笑みかけました。

「あの先生、落ち込んでいる人をじわじわといたぶって弱らせるのが趣味なんだと思う。病気で亡くなったあの子にもいろいろ嫌なことをいってたのを見たことがあるんだ。捕まってざまあみろだね」

そう言う同級生の手を主人公は思わずぎゅっと握りました。
「……あのさ、謝らなきゃいけないことがある。冷たい目で見られているような気がして、自分は嫌われているんだとばっかり思ってた」

同級生は首をぴょこんと傾げて、すぐに横に振りました。
「いやいや、嫌ってなんかないよ。今日も、たまたまあの量販店に入るのを見かけたんだけど、その後を先生がまるで尾行しているように付いて行ったのを見て、なんだか嫌な予感がしたんだ」

(終)

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この物語の登場人物には名前もついていません。個性に満ちたキャラクターも変わった世界観も設定していません。性別すら判然としません。

にも関わらず、あなたは意外な展開に驚き、思わず物語に引きずり込まれてしまったのではないでしょうか?

主人公は不条理な事件に巻き込まれ窮地に追い込まれていくが、思わぬことがきっかけであっと驚く真相が暴露される。謎が謎を呼ぶ意外な展開の連続に、読者は思わず前のめりで一気読み。これがどんでん返し入りのストーリーがもたらす効果です。

どんでん返しは『型』とその使い方さえ知っていれば誰でも簡単に構成できます。

「基礎的などんでん返しの型」は全部で10タイプあります。ちょっとしたコツを理解するだけでこの10タイプからほぼ無限の展開がどんどん生み出せます。

例えば『アルプスの少女ハイジ』には「幽霊騒動」と呼ばれるエピソードがあります。

ハイジとクララが住んでいるゼーゼマンさんのお屋敷に、夜な夜な現れて住人をおののかせる怪しい影。幽霊だとばかり思っていたらは実は……。

この「実は……」の部分がいわゆるどんでん返しです。この事件がターニングポイントとなって、ハイジはまたアルプスへと帰っていくわけです。

このようにどんでん返しは重要な場面で使われて、物語の方向性を大転換させる役目を担っています。

もちろん『ハイジ』の場合は、あまり難易度の高いミステリーやサスペンスフルな展開は必要ありませんので、「現場で幽霊をつかまえる」ことによって謎があっさりと解決される、非常に素朴で基本的などんでん返しになっています。

それでも充分に面白いですよね。子供の頃に読んだり観たりした『ハイジ』の中でも、特に印象的なストーリーとして今も記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。

他にもたくさんの名作が証明しているとおり、どんでん返しは世界のエンターテインメントに不可欠なスキルです。

小説や映画でちょっと考えつくだけでも……

「飛ぶ教室」「ペテン師と詐欺師~だまされてリビエラ」「テキサスの五人の仲間」「クリスマスに少女は還る」「オリエント急行殺人事件」「あしながおじさん」「シックス・センス」「コンスタンティン」「秘密の窓、秘密の庭」「レッド・ドラゴン」「コフィン・ダンサー」「その女、アレックス」「スティング」「斑の虎」「殺人課刑事」「アナと雪の女王」「パッセンジャーズ」「暗殺剣虎ノ眼」etc.

これらは分かりやすさと鮮やかさを優先して選んだものですが、どんでん返しの入った物語は探せば無数に存在しますので、ぜひ鑑賞してください。

すでに存在し、伝統的に受け継がれてきた、これらの素晴らしい『型』を使わないのはあまりにももったいないとぴこ蔵は思うのであります。

明日のメルマガでは、先程のあらすじのどんでん返しを成立させた初公開の『秘密のテクニック』を、ぴこ蔵&ブンコが徹底解説します。お楽しみに!

それではまた明日お目にかかります!

 


 
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